資本主義 世界の終りとハードボイルド・ワールドオーダー

お金とは一体何か? あなたはなぜ働くのか?

生きがいか、仕事の達成感か、仕事の成果が多くの人を喜ばせるからか・・・

ほとんど多くの人々にとって、それは結局、お金のためなのだ。

お金とは実質世界全体経済のわずかな部分が貨幣として現物化されているが、

実はそれ以外のほとんどすべてはPC上のデータ、銀行通帳に印字された数字、

ただの数字の記号に過ぎない。つまり幻想・仮想と言って過言ではない。

つまり多くの人々の人生は、そんな仮想・幻想の「お金の奴隷」なのだ

では「お金」はなくなってしまうのか? 資本主義時代の終わりが到来しても、

お金・貨幣価値交換システム そのものが消えて無くなることはないだろう。

しかし お金第一主義、金融覇権帝国アメリカは国際舞台の第一線から退く日がやがて来る

話は変わるが、作家・村上春樹は1979年のデビュー後、本業の飲食業を辞め専業作家として活動し始める。そして1980年代前半、日本はバブル景気に突入した。

1988年にベストセラーになる「ノルウェイの森」執筆前である。

当時、村上春樹は一部の純文学読者から絶大な支持を受けていたがまだ全国的に有名ではなかった。

飲食店を辞め、作家業だけで生活を続けていけるか、不安もあっただろう。

その長編2作目、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」である。

小説の舞台となる東京は執筆時のリアルタイム1984(1Q84)年ごろと推定される。日本はまさに高度資本主義社会の頂点に向かっていた

「世界の終り」は直接、バブル社会の終焉を暗喩しているわけではない。

組織(システム)と契約する計算士というのが主人公で、人の潜在意識を暗号として数値化し書き換えるという設定が出てくる。

インターネットが一般化する以前の、これは極めて預言的な構想だったと言える。

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は、バブル資本主義の頂点から村上春樹が書いた、

戦後アメリカ化した日本と高度経済成長を取り払った開国以前の前近代的社会との対比において、

ハードで強い精神が必要とされる不思議な国であるという意味で、日本が資本主義アメリカの属国の未来を暗示する、

極めての象徴的なタイトルだったと言えるだろう。

清藤 誠(キヨフジ☆セイジ)